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よくある質問

一般的な質問

Power Integrations では、デジタル ゲート ドライバを提供していますか。

Power Integrations のゲート ドライバには、デジタルとアナログの両方のアプローチを組み合わせています。すべての Power Integrations ドライバに搭載されている高集積 SCALE チップセットと SCALE-2 チップセットは、混合信号アーキテクチャをベースとしています。デジタル ブロック部とアナログ セルの個々の長所を戦略的に利用して、最大限の性能を生み出します。

たとえば、すべての動作条件、電圧変動、及び装置の老朽化を考慮すると、デジタル起動制御の方がアナログの方よりもはるかに精度が高い場合があります。また、デジタル フィルタとデジタル タイミング コントロール機能を内蔵することで、チップ領域及びそれに伴うコストを大幅に節減できます。

この状況は、IGBT 短絡保護を考えると、全く違うものになります。この場合、アナログ信号処理の本来の速度は、どの低価格デジタル エミュレーションよりはるかに優れています。デジタルの場合、次のいくつかのクロック サイクルを待機させて要求に対応する必要があります。

アナログ回路の方がずっと望ましいもう 1 つの例には、アクティブ クランプ、di/dt 制御、及び dv/dt フィードバックによる IGBT のスイッチング特性のコントロールがあります。これらの機能をデジタル プログラミングすることで、必然的にドライバの生産コストを削減できます。ただし、IGBT モジュールに対するこうした大雑把な “デジタル” の適用は、これら高価な電源モジュールで要求される最適なスイッチング性能を出すための詳細な微調整にはとてもかないません。

一般に、完全にデジタルの IGBT ドライバを使用する場合には、どれだけ性能を妥協し、デジタル オーバーヘッドを受け入れるか、そうすることでメリットを得られるのかどうかが問題となります。

IGBT または MOSFET パワー スイッチの能力を最大限に利用するには、これらのスイッチを常にアナログ装置として考える必要があります。従って、最適なドライバは実質的に、デジタル領域とアナログの “実世界” の間をつなぐインターフェースとなります。

Power Integrations では、アナログとデジタルの機能を組み合わせて、両方の領域を最適な価格性能比で利用できるものと考えています。

短絡が発生した際、Power Integrations ドライバはなぜゆっくりとターンオフされないのですか。

"ツーコンバータ ターンオフ"、"ソフト スイッチオフ"、"スロー ターンオフ" などの様々な名称で知られるドライバ回路は、通常動作時低ゲート抵抗を使用して、スイッチング損失を最小限に抑え、IGBT をオフにします。短絡または過電流が検出されたときには、高ゲート抵抗 (またはより低いゲート電流) を使用します。ただし、問題はこれらの状態を確実に検出できるかどうかにあります。VCE 監視には常に待機時間が伴い (この場合は応答時間という)、エラーが検出される前に解消される必要があります。この時間は原則として、最長 10ms です。実際には短絡が発生しており、IGBT が応答時間より短いパルスで駆動された場合、エラーは検出されず、回路は過剰に早くオフになります。その結果、IGBT は過電圧によって破損します。さらに、電流範囲に制限がある場合 (過電流と通常電流との間) も問題が生じます。

原則として、このような回路は危険と見なされ、Power Integrations 製品では使用されません。

実装部品には最小のインダクタンス値を設定し、電力部品を最悪条件の寸法にすることを推奨します。つまり、毎回ターンオフするとき、及び最大の中間 DC リンク電圧時に、過電流と短絡を安全に制御できるようにゲート抵抗値を選択する必要があります。

Power Integrations は高出力の用途向けに、(アドバンスト) アクティブ クランプ機能を搭載した SCALE 及び SCALE-2 プラグアンドプレイ ドライバ シリーズを開発しました。複雑さは増しますが、すでに説明した "スロー ターンオフ" アプローチよりも優れた信頼できるソリューションには変わりありません。

回路方式

CONCEPT ドライバを IGBT の直接直列接続で使用できますか。

原則として、マルチレベル機能を備えた CONCEPT ドライバは、直列回路で使用できます。次の点に留意してください:直列接続 IGBT を同期をかけて駆動する場合でも、IGBT のパラメータ変動により、対称電圧分割と電圧制限は、dv/dt 制限、アクティブ クランプ、またはスナバなどの方法を追加することでのみ達成できます。もう 1 つの問題として、ドライバの電源の高い絶縁強度が必要なことがあります。

CONCEPT ドライバをマルチレベルコンバータ用に使用できますか。

原則として、最新の CONCEPT プラグアンドプレイ ドライバは、マルチレベル方式での動作が可能です。関連するドライバのドキュメントを参照してください。
この動作モードでは、ドライバは、発生した障害をすべて検出しますが、自動的にオフになりません。個々の IGBT の最適なターンオフ シーケンスは、ユーザーの電子機器によって設定されます。

短絡発生時、CONCEPT ドライバはマルチレベルコンバータを安全に保護しますか。

マルチレベル コンバーターの場合、パワー デバイスの特定のスイッチング順序を維持する必要があります。たとえば、短絡時における 3 レベル方式では、内蔵パワー スイッチをターンオフする前に、ハーフブリッジの外付けパワー スイッチを最初にターンオフする必要があります。そうしないと、内蔵パワー スイッチは過剰な過電圧によって損傷を受けるか破損します。正しいスイッチング シーケンスの制御は、マイクロコントローラ ステージによって処理されます。この制御シーケンスを実現するため、短絡の検出後、ドライバ ステージは自身のパワー スイッチをターンオフすることは許可されていません。ドライバ ステージはマイクロコントローラに通知するだけです。CONCEPT のドライバはこの要件を満たすことができます。
アドバンスト アクティブ クランプというさらに進んだ機能により、短絡の検出後、ドライバによって電源装置を直接オフにすることが可能になります。

マトリックスコンバータ (疑似共振コンバータなど) 用に CONCEPT ドライバコアを使用しています。短絡が発生していないのに、飽和検出器 (短絡保護機能) が定期的に起動するのはなぜですか。

既にオンになっているパワー半導体が最初は通電されず、後から高 di/dt 電流を流すコンバータ方式では、これらの半導体の両端に、短期間のダイナミックな過電圧が順方向に発生します。この過電圧がドライバの非飽和スレッシュホールドを超えると、非飽和検出器が起動することがあります。

この問題は、このスレッシュホールドの抵抗 (Rth) の値を増やせば、修正できます。使用されているパワー半導体で許容される最長短絡時間を応答時間が超過していないことを確認する必要があります。
また、誤動作を避けるため、これらの用途では、VCE 検出回路に対して高圧ダイオードの代わりに抵抗チェーンを使用することを推奨します。
アプリケーション ノート AN-1101 も参照してください。

ゲート ドライバの接続

電気的インターフェースを備えたプラグアンドプレイドライバに推奨されるケーブルを教えてください。

CONCEPT では、ゲート ドライバをコントローラ部に接続するときには、ツイスト ペア フラット ケーブル (3M™ の 1700/20 または 2100/20 など) を使用することを推奨しています。

CONCEPT のゲートドライバに対する入力及び出力信号で何か要求事項はありますか。

実際の利用条件に応じて、特に、ドライバとコントローラ部の間を長距離ブリッジする必要がある場合には、ゲート ドライバの入力 (INA 入力、INB 入力) 及び/または出力 (SO1 出力、SO2 出力) ループに特定の部品を追加することを推奨します。詳細については、アプリケーション ノート AN-1101 を参照してください。

CONCEPT のドライバの場合、推奨される PWM 信号の電圧レベルはどれくらいですか。

CONCEPT のドライバは、3.3 ~ 15V ロジックの PWM 信号での動作に適しています。実際の利用条件に応じて、様々な電圧レベルが推奨されます。たとえば、ゲート ドライバとコントローラ部が同じ基板上に配置されていて、数センチしか離れていない場合、3.3V または 5V ロジックが適切かもしれません。ノイズが大きい環境の場合やケーブルを使ってドライバとコントローラ部を接続する場合には、コントローラ部15V ロジックを推奨します。
5V を上回る電圧レベルを CONCEPT コア ドライバに対して選択する場合、分圧器をできるだけ、ドライバの入力近くに配置する必要があります。
アプリケーション ノート AN-1101 も参照してください。